日本語教育・学習用の教科書、辞書、文法解説書、問題集等はたくさんありますが、残念ながら点字本はまだそれほど多くはありません。
視覚に障害のある学習者に、墨字(通常の印刷物)以外の媒体で教材を提供する場合には、以下の方法が考えられます。
・点訳されている教材を購入する。
・点訳を依頼する。
→ボランティアに依頼(時間がかかる)
→プロに依頼(お金がかかる)
・テキストデータを作成して、データで提供する。
→学習者がPC等の機器を使用できる場合に可能。
・テキストデータを作成して、点字プリンタで出力する。
→点字プリンタが必要。
データ作成者に点字表記法の知識が必要。
最近は、パソコンやスマホを使いこなす方が多くいらっしゃいますので、授業中に随時配布する資料や、先生の自作教材などでは、「データでのやりとり」が便利なようです。(データを受け取った学習者は、点字キーボードで読んだり、音声読み上げソフトを使用して音声で聞いたりすることができます。)
やはり本がほしい!(しかも、すぐ欲しい!)という方は、
IAVI(国際視覚障害者援護協会)のウェブサイトで購入することができます。
こちらで購入できるのは、「みんなの日本語」「にほんご1・2・3」「中級日本語(東京外国語大学)」「日本語中級読解入門」です。
余談ですが、市販の書籍の一部には「テキストデータ引換券」がついているものがあります。視覚に障害のある方へのサポートサービスで、表紙カバーの一部に、それとわかるマークがあり、切り取って出版社に送ると、データを送ってもらえる、というものです。
また、「音声コード」というQRコードのようなものがついていて、音声で内容を聞くことができるものもあります。(ねんきん定期便などの公的な文書には、だいたいついているようです)
あらゆる方の学ぶ権利を保障するために、教材・教具もユニバーサルデザインがあたりまえになることを願っています。